高配当で知られる日本郵政G 3社の22年3月期3Qの決算、資本状況、配当政策、株価推移について確認していきます。
基本情報
日本郵政G 3社は日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険ですが、3社の基本情報は次のとおりです。
配当利回りは日本郵政>ゆうちょ銀行>かんぽ生命となっており、日本郵政5%超、ゆうちょ銀行、かんぽ生命は4%超で高配当です。3社ともPER、PBRが低く、バリュー株ですね。
日本郵政 | ゆうちょ銀行 | かんぽ生命 | |
---|---|---|---|
コード | 6178 | 7182 | 7181 |
株価 | 969.5 | 1,014 | 2,079 |
予想配当(22年) | 50円 | 47円 | 90円 |
予想配当利回り | 5.16% | 4.64% | 4.33% |
予想PER | 7.75 | 10.86 | 5.78 |
実績PBR | 0.27 | 0.34 | 0.31 |
時価総額 | 3兆6530億円 | 3兆8020億円 | 8310億円 |
株主優待情報(ゆうちょ銀行のみ)
株主優待はこの3社の中ではゆうちょ銀行のみ設けています。21年11月に新設を発表しましたので、22年3月末が初回の権利確定となります。ゆうちょ銀行は浮動株が極端に低く(4%)、今後、個人株主を増やして、浮動株を増やしていきたい意図があると思います。
権利確定月:3月末
保有株式数:500株以上
優待内容:3,000円相当のオリジナルカタログ
※500株保有時の優待利回りは0.59%。
業績(22年3月期3Q)
22年3月期3Q実績では経常収益はゆうちょ銀行が増収+18.4%で、日本郵政とかんぽ生命は減収となり夫々△2.2%、△6%でした。経常利益は3社とも増益、純利益は日本郵政+3.4%、ゆうちょ銀行+27%と増益でかんぽ生命は△7.4%と減益となりました。通期予想もほぼ同様な傾向となっています。
経常利益の進捗率(3Q/通期)は日本郵政84.4%、ゆうちょ銀行81.3%、かんぽ生命75.0%となっており、順調です。なお、かんぽ生命は3Q決算発表時に通期見通しを上方修正しているため、進捗が75%となっています。(当初予想の進捗は93.1%)
22年3月期3Q実績 | 日本郵政 | ゆうちょ銀行 | かんぽ生命 |
---|---|---|---|
経常収益 | 8兆5130億円(△2.2%) | 1兆5557億円(+18.4%) | 4兆8210億円(△6.0%) |
経常利益 | 7762億円(+9.5%) | 3945億円(+25.6%) | 2701億円(+3.5%) |
純利益 | 4035億円(+3.4%) | 2876億円(+27.0%) | 1195億円(△7.4%) |
22年3月期予想 | 日本郵政 | ゆうちょ銀行 | かんぽ生命 |
---|---|---|---|
経常収益 | 11兆1500億円(△4.9%) | ※会社予想非開示 | 6兆4100億円(△5.5%) |
経常利益 | 9200億円(+0.6%) | 4850億円(+23.0%) | 3600億円(+4.1%) |
純利益 | 4800億円(+14.8%) | 3500億円(+24.9%) | 1540億円(△7.3%) |
資本状況
資本状況は昨年に変化があり、日本郵政は21年10月に実施された政府保有株式の売り出しにより、財務大臣の保有割合が約60%から約33%まで低下しました。
また、日本郵政はゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式を保有する形でグループを形成していますが、昨年にJPビジョン2025の中期経営計画を発表して、その中でゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式の保有割合をできる限り早期に50%以下にするとしています。
かんぽ生命は計画発表時の約64.5%から49.8%(21年9月)まで低下しています。
一方、ゆうちょ銀行は計画発表時約89%ですが、まだ変化はないので、今後売り圧力が想定されます。50%まで減らすには、39%の売却が必要で、現在の時価総額ですと概算で1.5兆円弱となります。そういった状況なので、株式売り出し時には需給が悪くなり、株価が抑えられる懸念があります。
配当
直近の配当実績と予想は以下のとおりです。日本郵政は50円の安定配当で利回り5%超、ゆうちょ銀行は配当性向50-60%、かんぽ生命は中期経営計画中は減配しないで増配を目指すとしており、3社とも株主還元に積極的です。
日本郵政 | ゆうちょ銀行 | かんぽ生命 | |
---|---|---|---|
18年3月期 | 50円 | 50円 | 68円 |
19年3月期 | 50円 | 50円 | 72円 |
20年3月期 | 50円 | 50円 | 76円 |
21年3月期 | 50円 | 50円 | 76円 |
22年3月期(予想) | 50円 | 47円 | 90円 |
配当方針 | 50円安定配当 | 配当性向50~60% | 中期経営中は減配せず 増配を目指す |
配当利回り *22/2/21株価で計算 | 5.16% | 4.64% | 4.33% |
株価推移
2021年初めの株価を起点に上下何パーセント動いたかチャートで表します。22/2/21時点の株価では日本郵政が+21%、ゆうちょ銀行+20.7%、かんぽ生命-4.2%でした。ゆうちょ銀行は直近まで一番よいパフォーマンスでしたが、3Q決算発表で大きく売られました。かんぽ生命はここ1年低迷が続いています。
TradingView提供のチャート
まとめ
3社とも配当利回りが高く長期保有してインカムゲインを狙うような銘柄かと思います。ゆうちょ銀行については、今後株式の売り出しにより、株価が抑えられる場面があるかもしれません。
自分は現在、日本郵政を保有しています。ゆうちょ銀行は保有していませんが、株価が安くなる場面があれば、購入も検討してみたいと思っています。
※2022.2.21時点の情報です。
※このブログは特定銘柄を推奨、非推奨するものではありません。
株式投資はリスクがあるため、投資判断は自己責任でよろしくお願いいたします。