今回は9月の株主優待銘柄で、今年の2月に株主還元方針を大幅に強化した銘柄 稲畑産業の現況について確認したいと思います。稲畑産業は化学専門の商社で、液晶・有機EL、LED、デジタル印刷、再エネ関連の情報電子、生活用品、建築部材、フィルムシート等の合成樹脂が主力です。
基本情報
銘柄:稲畑産業(8098)
株価:2,391(22/9/1)
予想配当利回り:4.81%
予想PER:6.7倍
実績PBR:0.76倍
時価総額:1380億円
自己資本比率:45.0%(22年3月)
実績ROE:12.8%
予想配当利回りは高く4.81%、PER、PBRは低い数値で割安感があります。自己資本比率は45%、ROEは10%超えで高い数値となっています。
株主優待内容
権利確定月:9月末
保有株式数:100株以上
株主優待内容:保有株式数、年数に応じてQUOカードを贈呈。100株で3年以上保有すると、利回りが一番高くなります。
保有株式数 | 6ケ月未満 | 6ケ月以上 | 3年以上 |
---|---|---|---|
100株以上 | 500円分 | 1,000円分 | 2,000円分 |
200株以上 | 500円分 | 2,000円分 | 3,000円分 |
300株以上 | 500円分 | 3,000円分 | 5,000円分 |
100株保有時の優待利回りは0.21~0.84%
業績
23年3月期1Q 決算内容(実績)
- 1Qは増収、減益で着地
- 情報電子セグメントは減収(△1%)、減益(△14.3%)。円安の影響があったものの、液晶関連商材の販売が低迷し、減収。
- 合成樹脂セグメントは増収(+21.3%)、減益(△8.2%)。円安、樹脂価格上昇で増収も物流費の高騰もあり減益。
23年3月期通期予想
- 通期でも増収、減益予想
決算 | 23年3月期1Q実績 | 23年3月期通期予想 |
---|---|---|
売上高 | 1840億円(13.2%) | 7300億円(7.2%) |
営業利益 | 53.3億円(△4.7%) | 195億円(△2.8%) |
経常利益 | 53.9億円(△16.4%) | 205億円(△5.3%) |
純利益 | 45.6億円(△42.8%) | 205億円(△8.3%) |
配当
配当実績と予想は以下のとおりです。
年間配当金(円) | 配当性向% | |
---|---|---|
19年3月期 | 48円 | 22.7% |
20年3月期 | 53円 | 28.1% |
21年3月期 | 63円 | 27.5% |
22年3月期 | 110円 | 29.4% |
23年3月期(予想) | 115円 | 32.0% |
今年の2月に株主還元方針(配当方針)の変更を発表し、これまでは総還元性向30~35%としていましたが、中期経営計画期間中(~2024年3月期)は50%程度とし、累進配当の継続も示しました。
今期は115円を予想しており、配当利回りは4.81%です。また、今期20億円(1.05%)を上限とする自社株買いも発表しています。
株価推移
1年チャートを見ると、今年2月に発表した業績の上方修正、配当増額、株主還元方針変更により、大きく上昇しましたが、その後、2000円程度まで下げていました。現在、株価は戻り、2月に付けた高値付近まできています。
【稲畑産業 1年チャート】
5年チャートでは2020年のコロナショックにより約1000円程度まで下がりましたが、利益成長に合わせて、株価も回復し、現在は高値付近にいます。
【稲畑産業 5年チャート】
※TradingView提供のチャート
まとめ
100株保有時の優待利回りは0.21%~0.84%、配当利回りは4.81%、総合利回り5.02%~5.65%です。100株保有時の投資額は現在の株価で約24万円です。直近の配当増額はすごく、株主還元強化を明確に数値化してくれるのは、株主にとってわかりやすいと思います。
※このブログは特定銘柄を推奨、非推奨するものではありません。株式投資はリスクがあるため、投資判断は自己責任でよろしくお願いいたします。
※2022年9月1日時点の情報です。配当、株主優待情報等は更新される可能性がありますので、投資を検討される場合はご自身でも事前に確認をお願いいたします。