3月決算銘柄の上期業績の発表がほぼ出そろいましたが、増配修正を発表する銘柄も多く見られました。その中でも大手総合商社7社はいずれも通期業績の上方修正、増配を発表しました。今回の7社の配当の状況や修正した決算等を確認します。
増配、配当利回り
総合商社7社すべてが今回、年間予想配当を増額修正しました。修正後の配当利回り順に並べました。
5%超が双日、住友商事、丸紅。
3%超は豊田通商、三菱商事、三井物産、伊藤忠となっています。
修正時の配当増加率は住友商事が28%増、丸紅が25%増と変化が大きく、
三菱商事は3%増、三井物産は8%増、伊藤忠は8%増と増配となっていますが、小幅増です。
配当性向は各社20%台となっており、利益が出ているため、余裕のある数値です。
23年3月期 通期業績見通しを修正
上期の決算発表で各社が通期利益を上方修正しました。修正による利益増加率の順で並べました。
修正による利益増加率が大きいのが、住友商事49%増、比較的小さいのが伊藤忠14%増、
他の5社は20%台の増加率となっています。
また、通期利益(修正後)に対する上期の進捗率は各社50%を超えており、
双日は72%、三菱商事は70%と高い進捗率となっています。
三菱商事は通期で1兆円超の利益を予想しています。
PER、時価総額
業績上方修正後のEPS(一株利益)から算出したPERを低い順で並べました。
商社のPERは過去から低い数値となっていることが多いですが、
7社のPERは4.9倍~7.7倍となっています。
住友商事が4.9倍、丸紅4.9倍、双日5.0倍と続きます。
時価総額は伊藤忠、三菱商事、三井物産が抜けており、6兆円超となっています。
年初来株価推移
年初の株価を起点として、7社の株価推移を比較しました。
三井物産+38%、双日+37%
丸紅+27%、住友商事+26%
伊藤忠+18%、三菱商事+16%
豊田通商-5%
年初来で豊田通商はマイナスでしたが、他の6社はプラスとなっています。
今年だけ見ると、三井物産と双日のパフォーマンスが優れています。
伊藤忠と三菱商事は思ったより上昇していない結果でしたが、これまで上昇した分、
年初来で見ると10%台にとどまっています。
※TradingView提供のチャート
最後に
総合商社は資源、エネルギー価格の高騰や円安も背景に業績が好調となっています。今回、各社増配を発表しましたが、配当利回り5%超は3社(双日、住友商事、丸紅)、他の4社も3%超となっています。配当性向は7社すべてが20%台で余裕があり、好調な業績が続けば、更なる増配も期待したくなってしまいます。インフレに強みのある業界ということもあり、今後も注目しています。
ちなみに、現在の保有株は三菱商事、住友商事、双日です。
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