5月はオリックス、マルハニチロなど人気の株主優待が廃止された月となり、話題となりました。5月の優待関連IR振り返りと、今年の株主優待の廃止数について確認します。
5月株主優待関連IR振り返り
5月の株主優待関連IRは49件と先月の26件から大きく上昇しました。新設3件、変更23件、廃止11件、お知らせ12件となり、優待廃止ラッシュの月となりました。この中の一部のIRをピックアップして振り返ります。
【新設】
- 化粧品をてがけるアクシージア(4936)が株主優待新設を発表し、内容は保有株式数に応じて自社製品を贈呈します。例えば100株保有の場合3,000円相当の内容となり、発表当時の株価で利回りは3.72%。権利確定は7月末。
【変更】
- ティーガイアが株主優待の保有年数区分、優待内容の見直します。継続保有年数に半年以上が設けられ、また3年以上保有すると、金額が増額されます。100株保有時、年間でQUOカード2,000円分(半年以上~3年未満)、4,000円分(3年以上)贈呈されます。
- MTGはオンラインショップで使用可能なポイントを贈呈していますが、保有区分の追加を行いました。保有株式数に応じて6,000P~70,000P贈呈されます。
【廃止】
- オリックスの株主優待廃止は多くの株主に衝撃を与えました。ただし、廃止時期は24年3月末基準日の優待を実施した後になります。今年の分を含めるとあと3回ふるさと優待が贈呈されます。JTの廃止もびっくりましたが、続きますね。
【お知らせ】
- ジェイグループが記念優待(食事券)実施を発表し、25周年優待が22年2月末、22年8月末基準日の100株以上保有株主に対して実施されます。
今年の株主優待の新設と廃止件数
今年の株主優待の新設、廃止件数をグラフに表します。棒グラフが各月の件数、折れ線グラフが累計となります。5月までの新設は25社、廃止(中止等含む)は34社と廃止が多くなっています。以前、ネット記事で21年の優待廃止が75社と話題になったことがありましたが、今年も多く昨年を若干上回るスピードで優待廃止が発表されています。
廃止理由で多いのは、やはり公平の観点から配当金に重点を置くというもので、コーポレートガバナンス・コードの株主の平等性を確保するという流れは今後も続きそうです。
ちなみに、コーポレートガバナンス・コードを発表しているJPXもQUOカードの株主優待制度を設けているので、個人的には今後も継続となるのか気になるところです。