先週は株主優待廃止ラッシュで人気のあったオリックスやマルハニチロなど、株主優待投資家には衝撃の一週間でした。今回は先週、優待廃止を発表した会社の株価がどのように反応したか、下落率が大きい銘柄の特徴など整理してみました。
株主優待廃止時の株価影響
先週、優待廃止を発表した10社は、すべて引け後に発表されました。優待廃止発表前の株価と発表後の寄付きの株価変動を確認しました。ちなみに、廃止理由はサコスが公開買付け(TOB)→上場廃止、GーFACTORYは公平な利益還元(無配ですが)、他の8社は公平な利益還元、配当金を重視していく内容でした。
優待廃止発表後の株価変動はTOBのサコスを除くと、上昇したのは2社のみで、マルハニチロ+0.8%、テクノクオーツ+0.9%と上昇率も小さかったです。残る7社は下落し、5%以上の下げ率を記録した銘柄は、5社もありました。2桁の下げ率は3社あり、東京特殊電線は増配を発表しましたが、優待廃止以外には今期、微減益の影響も考えられます。また、GーFACTORYは1Qで前期赤字から黒字転換しましたが、優待廃止の影響をうけた印象です。一番下落した、サニーサイドアップは発表翌日にストップ安比例配分で引けで寄り付いたため、翌々日の下落を考慮すると20%を超える下げとなりました。サニーサイドアップはおそらく株主優待目的の投資が多かったと思いますし、小型株のため、流動性の影響もありそうです。
一方で優待目当てで保有する個人株主が多いオリックスの下げは-0.2%と限定的でした。オリックスは業績も好調で高配当なので、優待が廃止になっても、そのまま保有する株主が多いかもしれません。
優待廃止時に下落率が大きい銘柄の特徴は?
廃止となった優待は表のとおりですが、5%以上下げた銘柄の優待は、QUOカードが多く、あとはプレミアム優待倶楽部とレストラン優待券でした。
値下がり率と優待利回りの関係はよく分かりませんでした。
5%以上の下げを記録した銘柄の時価総額は26億円~238億円と小型株だったので、流動性が低い銘柄は優待廃止となったときに、下落率が高くなる可能性がありそうです。また、時価総額が大きくないのに、株主数が多い場合は優待目的の株主が多いと思いますので、廃止されたときはショックが大きいかもしれません。
今後も株主平等の観点から優待廃止が続くと思いますが、優待が廃止になっても、配当金があれば、長期保有でインカムゲインが狙えるので、現物保有時は高配当株を極力選んでいきたいと思っています。