12月決算である大手ビール3社のアサヒ、キリン、サッポロの決算がでそろいました。通期実績、今期予想、配当、株価推移等を確認していきます。
基本情報
大手ビール3社の指標を確認すると、
配当利回りはキリン>アサヒ>サッポロ、時価総額はアサヒ>キリン>サッポロとなっています。PERはキリンが比較的割安、PBRは比較的サッポロが割安。
アサヒGHD | キリンHD | サッポロHD | |
---|---|---|---|
コード | 2502 | 2503 | 2501 |
株価 | 5,219 | 2,003.5 | 2,424 |
予想配当(22年) | 111 | 65 | 42 |
予想配当利回り | 2.13% | 3.24% | 1.73% |
予想PER | 18.05 | 14.59 | 37.76 |
実績PBR | 1.51 | 1.87 | 1.16 |
時価総額 | 2兆6461億円 | 1兆8312億円 | 1910億円 |
株主優待情報
権利確定月:12月末
保有株式数に応じて、株主優待としてビール等が贈呈されます。
100株、1,000株を見ると、各社横並びとなっています。
ただし、サッポロのみ長期保有制度を設けています。
株主優待内容
アサヒGHD | キリンHD | サッポロHD | |
---|---|---|---|
100株以上 | 1,000円相当 | 1,000円相当 | 1,000円相当 *3年以上1,500円相当 |
200株以上 | – | – | 2,000円相当 *3年以上3,000円相当 |
500株以上 | 2,000円相当 | – | – |
1,000株以上 | 3,000円相当 | 3,000円相当 | 3,000円相当 *3年以上4,500円相当 |
優待利回り
100株保有時の優待利回りはキリンが一番高いですが、3年以上長期保有するとサッポロが上回ります。
アサヒGHD:0.19%
キリンHD:0.50%
サッポロHD:0.41%(3年以上0.83%)
業績(21年12月期)
21年12月期通期決算では、アサヒ、サッポロは増収、増益を確保、キリンは減収、事業利益は増益となりましたが、当期利益は減益となりました。
【アサヒ】事業利益では国内酒類は減益ですが、海外が大幅増益、飲料、食品も増益となりました。
【キリン】事業利益は前年比増益を確保したものの、ミャンマー事業の減損損失466億円を計上したことで、当期利益は減益となりました。ミャンマー事業は撤退の方針を発表し、残存資産の回収ができなかった場合、更に損失計上される可能性があります。
【サッポロ】事業利益は酒類事業は増益、食品事業は黒字転換、不動産事業は減益でしたが、全体としては、増益となりました。
今期予想では、各社増収、事業利益も増益予想となっています。一方、当期利益はアサヒ、サッポロは減益予想でキリンは増益予想となっています。
21年12月期実績 | アサヒGHD | キリンHD | サッポロHD |
---|---|---|---|
売上高 | 2兆2361億円(+10.3) | 1兆8216億円(△1.5) | 4372億円(+0.6) |
事業利益 | 2179億円(+29.9) | 1654億円(+2.0) | 81億円(+91.1) |
当期利益 | 1535億円(+65.4) | 598億円(△16.9) | 123億円(-) |
22年12月期通期予想 | アサヒGHD | キリンHD | サッポロHD |
---|---|---|---|
売上高 | 2兆4500億円(+9.6) | 1兆9500億円(+7.1) | 4787億円(+9.5) |
事業利益 | 2400億円(+10.1) | 1660億円(+0.3) | 100億円(+22.8) |
当期利益 | 1465億円(△4.6) | 1145億円(+91.5) | 50億円(△59.5) |
配当
直近の配当実績と予想は以下のとおりです。
アサヒGHD | キリンHD | サッポロHD | |
---|---|---|---|
17年12月期 | 75円(28.6%) | 46円(30.5%) | 40円(28.4%) |
18年12月期 | 99円(30.1%) | 51円(30.5%) | 42円(38.4%) |
19年12月期 | 100円(32.2%) | 64円(94.1%) | 42円(75.1%) |
20年12月期 | 106円(53.9%) | 65円(76.0%) | 42円(ー) |
21年12月期 | 109円(37.2%) | 65円(52.6%) | 42円(27.3%) |
22年12月期(予想) | 111円(38.4%) | 65円(47.3%) | 42円(65.4%) |
配当方針 | 配当性向35%程度 *将来40%目指す | 配当性向40%以上 | 安定配当 |
配当利回り *22/2/17株価で計算 | 2.13% | 3.24% | 1.73% |
アサヒGは今期も増配予想で、連続増配続いており、利回りは2.13%。 配当性向は将来的には40%を目指しています。
キリンの配当は頭打ちですが、利回りは一番高く3.24%。
サッポロは配当性向高いですが、42円を今期も維持して、1.73%。
株価推移
2021年初めの株価を起点に上下何パーセント動いたかチャートで表します。22/2/17時点の株価で確認すると、サッポロ+27.4%、アサヒ+24.4%ですが、キリンは-15.6%と株価が低迷しています。キリンは長らく下落トレンドだったため、回復できていない状況です。ただ、最近は横ばいで決算発表後に上昇し、2000円台を回復しました。業績が回復し、ミャンマー問題が解決すると面白そうです。
TradingView提供のチャート
まとめ
利回りでは、株価低迷の影響もあって、キリンHDが一番高い数値となっています。アサヒは株価が上昇したことで利回りは低いですが、業績面や株主還元方針から今後の増配が期待されます。サッポロは安定した配当を重視していますが、更なる増配は現時点では見えてこない状況です。
アサヒGHD | キリンHD | サッポロHD | |
---|---|---|---|
100株保有時優待利回り | 0.19% | 0.50% | 0.41%(0.83%) |
配当利回り | 2.13% | 3.24% | 1.73% |
総合利回り | 2.32% | 3.74% | 2.14% |
※2022.2.17時点の情報です。
※このブログは特定銘柄を推奨、非推奨するものではありません。
株式投資はリスクがあるため、投資判断は自己責任でよろしくお願いいたします。